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「ゆとりと呼ばれて~ゆとり世代によるゆとり世代のための連載 その1~」

update:
2016 01/29
カテゴリ:
新人の特徴

「3歩進んで2歩下がる?! リクルート新人Sのどたばたダイアリーvol.3」
~ゆとりと呼ばれて―ゆとり世代によるゆとり世代のための連載 その1~
 
ゆとり_S
 

リクルートキャリア新人のSです。
今まで2回、新人のリアルな声を集めてきた「どたばたダイアリーシリーズ」ですが、
今回は趣向を変えて『ゆとり世代』について論じてみたいと思います。
私もまさにゆとり世代を育ってきた若者の一人ですが、
当事者としてどう感じているのか、率直な思いをお伝えしたいと思います。
 

ゆとり世代の若者は自分たちをどう思っているのか

ネットでよく目にする「ゆとり世代」という言葉。
学習指導要領による「ゆとり教育」を受けた彼らが社会人になり、
企業で働き始めた2010年以降、頻繁に語られるようになりました。

ゆとり世代を見守る職場の声を集めてみると、

・言われたことしかやらない
・創造性や主体性がない
・失敗を極端に恐れ、挑戦を避ける
・向上心がない
・すぐ落ち込む、すねる、めげる

とネガティブワードのオンパレード。
ゆとり世代ど真ん中の今の新人はこう思われている現実に何を感じているのでしょうか。

 


同期K
「ゆとり世代と呼んで一括りにするけど、二極化が進んだだけでみんなが『ゆとってる』わけじゃない。
進学校で厳しい競争を経てきた子や長くスポーツに真剣に取り組んできた子なら、
健全な主体性だって競争心だってあるし。
これってよくある『今どきの若者は』って論調でしょ。
ネット言説なんじゃないかな。」

友人M
「ゆとり世代と呼ばれることに関して特になんとも思わないな。
というところが既にゆとりなのかも。

誰かと比べてどうだとか、1番を目指すだとか、そういう刷り込みをされてきていないから、
確かに個人主義ではある。
でも、それはグローバル化の流れを受けての国からの要請でもあったわけで、
まるで私たちが悪いみたいに言うのは筋が違うと思う」

友人I
「言われて腹が立つ、というよりは、こうしていつの時代も
若者は目の敵にされるし、というよりも怒りたいんだと思うんだよね。
だって今のゆとり世代の行動を肯定しちゃったら、
仕事第一で生きてきた自分たち(管理職)の生き方を全否定しちゃうでしょ。
ナンセンスだなと毎度思うけど、仕方ないなとも思う。
まあ、価値観の多様化とゆとり世代のだらしなさを混同するのはやめてほしいと思うけど。
だらしないのは一部だし、そういう人はいつの時代にもいる」


 

こうして本人達の声を聴いてみると、予想以上に客観的に
自分たちがゆとり世代であることを捉えているようです。
「ゆとり世代の次はさとり時代」とも言われますが、こうした自分と他者、
あるいは自分自身との「距離の取り方」にゆとり世代の特徴が表れているのかもしれません。
 

ゆとり世代はほんとうにやる気がないのか

 
こうしたどこか冷めていて熱くならず、つかみどころのない新人を見ていると

「どうしてもっと能動的に動けないんだろう」
「どうしてこんな注意を気にしてしまうんだろう」とイライラ。

先輩方は自分とは違うバックグラウンドを持つ「新人類」の出現に手を焼いていることでしょう。

ですが、ゆとり世代に向けられた、さきほどのネガティブワードを
ゆとり世代の目線で眺めると、こう変わります。

●「言われたことしかやらない」
→言われないと何から手をつけていいか分からないほど仕事が複雑

●「創造性や主体性がない」
→はじめは複雑で多様な仕事を覚えることで精いっぱい

●「失敗を極端に恐れ、挑戦を避ける」
→ITの普及でひとつの失敗の影響力の大きさを知っているので慎重になっている

●「向上心がない」
→仕事だけが生きがいではない。パラレルキャリアやノマドワークなど
自分らしい新しい働き方を模索している

●すぐ落ち込む、すねる、めげる
→メンタルの問題を身近に感じて育ってきたため、
自分を守り方や自分が大事にしたいものの優先順位をよく知っている

 
こうして眺めてみると、ゆとり世代の主張が決して言い訳とは言い切れない気がしませんか?
ゆとりカリキュラムによる個性尊重教育だけが原因ではなく、グローバル化、IT推進、
時流に合わせた頻繁な組織改組によって企業側が求めるものも、ここ10年間で飛躍的に高度になりました。
IT技術の進歩に対応して業務量が増える一方、時短や在宅勤務など多様な働き方が推進され、
組織で新人を育てる風土が以前に比べて意識されにくくなったことも原因のひとつかもしれません。

今の若者は、いままで直面したことない社会変化の波と、自分の理想との間で葛藤しています。
ゆとり世代の問題は、どちらが悪い・どちらが正しいという議論ではなく、
またゆとり世代だけで解決できるものではない
のです。

では、職場でゆとり世代を育てていくには何に気を付ければよいのでしょうか。
それは次回のどたばたダイアリーにて。お楽しみに。