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意外と体系化していない企業が多い「新人育成」~うまくいく考え方の基本~

update:
2015 03/20
カテゴリ:
その他
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Intensive Livestock, Industrial Farming

4月まであとわずか。新入社員を4月に迎え入れる企業では「新人育成」は関心の高いテーマだと思います。一方で「意外に体系的に考えられていない…」との声もよく聞きます。そのような方のために、今回は、新人育成施策を検討するうえでの基本な考え方を整理してみました。

 


 

■一気に戦力化はできない。まずは「ステップ」を考える。

新人育成の目標の1つは早期戦力化でしょう。ありがちなのは、いきなり戦力化レベルの期待をかけて、一気に戦力化させようとしてしまうこと。

しかし、新人が戦力化するまでにはいくつかのステップがあり、このステップを飛ばすことはできません。戦力化までのスピードを速めるには、このステップは飛ばして一気に戦力化させるのではなく、一段一段のぼるスピードを速めていくことが必要です。

新人育成施策を考えるにあたっては、この成長のステップを自社なりに定義していくことからはじめます。<図1>は、成長のステップを弊社なりに整理したものです。こちらを参考にしながら、そもそも新人にとっての「戦力化」とはどのようなレベルを求めるのか、戦力化までのステップはどの程度あるのか、それぞれのステップでどのような状態を目指すのかを定義してみてください。

column0007-1

 

■その後の成長度を左右する「立ち上がり期」

成長ステップを描く上でのポイントは、戦力化する前のステップとして必ず、組織や仕事になじんでいく「立ち上がり期」が存在するということ。「立ち上がり」という言葉は、建物の下支えをする基盤の部分や盆栽の世界でも根元近くの盆栽を形づくる基礎となる部分をさす言葉としても使われていますが、いずれも、基礎がしっかりしていないと、立派な建物や盆栽は作られません。

新人育成も同様で、立ち上がり期にしっかりと土台をつくっておかないと、一人前になるスピードが遅まったり、戦力化したとしても早期に離職してしまう、という状況に陥りかねません。

新人育成を考えるにあたっては、この「立ち上がり期」の存在を軽視せず、戦力化を目指す前段階として、「立ち上がり期」にどのような状態になっていれば良いのかを明確にしておきましょう。

 

 

■新人が習得すべき、3つのこと

新人の成長のステップが描けたら、それぞれのめざす状態に向けて着実にのぼっていくための施策を考えていきます。

新人が習得すべきことは、以下のように大きく3つに分けて考えるとよいでしょう。

  • 学生意識から企業人への意識転換
  • 業務知識・スキル
  • 企業人として求められる態度や行動・思考パターン

これらを先ほどの成長ステップに当てはめると、下記のようなイメージです。

 

column0007-2

 

■参考に…新人の成長ステップに沿った施策例

学生から企業人への意識転換 習得のポイント>

学生から企業人になるというのは、人生の中でもかなり大きな転換と言われています。何が大きく変わるのか、今後何を大事にしていかねばならないのか等、企業人としての考え方やスタンスの習得が主眼となります。内定期も含め早期の段階に習得していくべき事柄です。

まずは、学生の立場とは異なる視界・行動が求められていくことを自覚させることからはじめます。たとえば、顧客とは何か、目標とは何か、利益を得るとはどういうことなのか、といったビジネス観点を持つことの必要性や、企業人として求められる報連相、納期厳守、チーム行動といった当たり前行動への理解などです。研修の場で行うのであれば、同期同士でディスカッションさせたり、グループワーク自体に企業人として求められる行動の要素を組み込んで運営することも有効です。

業務知識・スキル 習得のポイント>

一般的に新人の育成施策というと、これを中心に据える企業も多いでしょう。業務を遂行するうえで必須の資格や認定試験があるような職務ではなおさらです。職務ごと階層ごとに知識・スキル体系を整備し、必要な研修・講習会、通信教育等をセットします。

ちょっとしたことですが、入社したての新人が最初につまずくこととして社内用語がわからないということがあるようです。新人のためのプラスαの工夫として、社内用語集といった形で冊子化しておいたり、わからないことがあったら誰に聞くとよいのかをKnow-Whoとして知らせてあげたりすると、重宝されます。

企業人として求められる態度や行動・思考パターン 習得のポイント>

これは、その企業の一員として求められる態度や、良しとされる行動や思考の方法を習得するというものです。リクルートキャリアでは、企業としてミッション・ビジョン・バリューを定めています。

その中のバリュー(http://www.recruitcareer.co.jp/company/vision/)は、リクルートキャリアで働く社員として習得し常に高めていくことが求められてるものです。具体的には、「社会起点」「圧倒的な当事者意識」「昨日を超える」という3つのバリューがあるのですが、新人はこの意味を理解し、日々の仕事の中でどのように発揮することが良いことなのかを、いろいろな機会を通じて習得していくことになります。

その企業固有の要素も多く、習得すべきものを抽出することが難しかったり、習得にも時間がかかるものです。習得するにつれて、その企業の一員としての“らしさ”が備わってきます。学習手段としては、仕事を通じて習得されるもの(=OJT)で、先輩の考え方・やり方を見ながら学ぶことが多いでしょう。

なお、立ち上がり期において、「仕事や職場になじめない」という悩みを抱える新人には、この企業特有に求められる態度・行動・思考パターンが暗黙知になっているために習得ができずにつまずくというケースが意外と多いです。

企業内で暗黙の了解となっている事柄のうち、新人の成長にとって重要な要素があるのであれば、人事としては現場と連携しながら、学習対象として抽出して、習得させることが必要です。例えば、弊社では、営業としての求められる特有な基本行動を新人に習得してもらうために、「バイエル(入門本)」と称する教本を現場のマネジャーが主体となって作成しています。新入社員が入ってくる度に、それを教科書に勉強会を開催したり、折にふれて振り返る教材として利用しています。

 

 

■まとめ

今回は新人育成の基本となる考え方についてお伝えしました。ポイントは下記2点です。

  • いきなり戦力化することはなく、成長のステップをのぼるスピードを速めることが、早期戦力化につながる
  • 自社の成長ステップに沿って施策を考えることが重要