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どうする?突然の「退職したい…」への対応 良い例/悪い例

update:
2015 03/16
カテゴリ:
離職

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人事面談の際に、新人からこんなことを切り出されたら、人事担当としてどういう対処をしますか?

 


 

● 入社して1年が経過しようとした2月中旬のフォロー面談で…

突然なんですが、会社を辞めたいと思っているんです。もともとは、企画の仕事を希望して入社したのですが、今現在の営業の仕事については、正直言ってあまり興味がもてません。これといった成果も出せず、自分に向いているとも思えないんです。実は知人から私のやりたいと思っていた企画の仕事ができそうなB社を紹介してくれるとの話もあって。退職の方向でこの先のことをご相談できればと思っているのですが・・・」

 


 

新人にとっては、入社して1年というタイミングはいろいろ振り返る時期ですし、中にはこのように「辞めたい」と思う人も少なくありません。1年以内に「辞めたい」と思ったことがある人は、6割にも上るという調査結果もあります。

今回は、退職を切り出してきた新人に対して、どんな対処ができるといいか?Bad例とGood例でお伝えします。

 


 

■本来的には、マイナス情報を早めにキャッチできるしくみに!

「辞めたい」という最終結論に近い段階からの対処では、手遅れなことも多いです。リクルートキャリアで2014年に行った転職に関する調査でも、「カウンターオファー(退職引き止め交渉)」を受けて転職を思いとどまったのはわずか24%という結果も出ています。

 

「辞めたい」と思うのは、本人にとってはある日突然ではありません。かなり以前から、思い悩んでいるものです。「辞めたい」という状態になる前の過程で、変化に気付けることが重要です。「2014年卒新入社員の本音が見えた~新人が抱える意外な”つまづき”」の回でもお伝えしましたが、特に、新人・若手は心が揺れ動く時期です。

 

新人・若手の心が揺れ動き易い時期があるのであれば、そこでの変化を丁寧にウォッチしていくこと、また現場の上司との情報交換を密にしていくなど、マイナス情報を早くからキャッチできる現場との関係性をつくっておくことが肝心です。

 

とはいえ、すぐに上記のような状態をつくるのは難しいこともあるでしょう。まずは、面談時のBad対応・Good対応を頭に入れてみてください。

 

 

■やりがち、だけど避けたいBad対応例

 

頭ごなしに叱る

まだ何も成果を出せていない、会社に貢献できていないという段階で「辞めたい」と言ってくるメンバーがいたとしたら、「何を考えているんだ!辛抱が足りない。どれだけパワーをかけて採用しているかわかってるのか?」とつい小言をいいたくなるかもしれません。

しかし、単に叱るだけでは、何の解決にもなりません。新人の立場に立てば、いろいろ考えた末に、勇気を出して退職したいという気持ちを伝えてきたのかもしれません。頭ごなしに叱っては、「辞めたい」という気持ちを助長しかねません。

 

辞められては困る・・・と会社都合の立場で慰留する

人材採用難と言われる昨今、新人が1人辞めるということは、企業とって大きな痛手です。「辞めたい」と言われた時に、「今辞められたら職場が回らない。忙しい時期だってことはわかってるでしょ。考え直せないかな?」などと、本人の気持ちはおいておいて、会社側の都合で慰留するといった言葉が出がちです。しかし、このような対応では、自分のことをわかってもらえていないと、がっかりすることになるでしょう。

 

仕方ないな・・・と安易に承諾する

配属ギャップの悩みを解消できずに、「辞めたい」という気持ちにつながったということは、一見理解はできます。「もっともな理由だね。君の気持ちもわかるよ。転職先の話もあるんなら退職の方向で考えようか」と言って安易に承諾してしまう対処もありがちです。言い出した本人にとっては、都合の良い返事かもしれませんが、まだ考えが浅い段階で切り出していることも考えられます。

 

いずれも、最初の一言として出がちですが、このような対応をしていては、可能性を持った新人・若手に見放される結果になりかねません。

では、どのような対応をしていくと良いのでしょうか?

 

 

■新人としっかり向き合う、Good対応例

 

辞めたいと考えるに至った過程・理由と、意思の固さを確認する

まずは、冷静にこのような考えに至った過程を確認しながら、理由や背景にある思いを探ります。

「いつから辞めたいと考えるようになったのかな?きっかけを教えてくれる?」
「向いていないと思うのは成果が出ていないから?他にも思いあたることってあるの?」

・・という具合に、辞めたい・向いていないとネガティブな考えに至った理由や背景をしっかりと確認します。

ひと通り聞いたうえで、今の成果が上がらない状況から逃げたくて安易に辞めたいと言っているのではなく、考え・理由が納得のいくものと言えるかを確認します。そして、退職意思の固さがどの程度なのかも見極めます。

意思も固く理由も納得いくものであれば承諾する方向もあると思いますが、新人という入社まもない段階では考えを改める方向に持っていくこともありえます。直属の上司に話していないような状況であれば、人事として状況を把握したうえで、どう対応するかの方針を一緒に決めていきましょう。

 

 

メンバーの希望する方向に近づく方法を一緒に考える

退職意思が固まりきっていない状態であれば、さらに本来はどうありたいと思っているのか、具体的に聞いていきましょう。

「これまでを振り返ってみて、やりがいや面白みを感じた仕事はどんな仕事?」
「君が抱いている企画の仕事ってどんなものかな?何が身につくとやれると思う?」

そして、会社として何を期待して今の配属先を決めたのか、営業という仕事への期待、今後こんなキャリアを求めている等を伝えつつ、本人が考えているキャリアイメージとのすり合わせをしてくことも有効です。

本人が希望していることが、今の職務と違ったとしても、今やっていることが、本人の希望とどのようにつながっていくのかを見せてあげるのがポイントです。

何もやりきった経験がない、小さくてもいいから成果を出すということを経験しないままに、「辞める」という選択をした場合、結果的に転職先でもうまくいかない可能性もあります。今の仕事の中で、本人の希望とつながる何かをやりきれるのなら、それをやり遂げてから次の道を考えるのも遅くはないことを考えさせるとよいでしょう。

 

 

■まとめ

今回は、退職を切り出された際の対応の仕方についてお伝えしました。ポイントは下記2点です。

 

  • 本来的には、「辞めたい」という結論に至る前にキャッチアップする仕組みをつくることが望ましい
  • それでも「辞めたい」と言われた場合には、頭ごなしに否定したり会社都合で引き留めるのではなく、背景・理由・目指したい姿などを一緒に丁寧に会話することが望ましい。