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不満を生まない新入社員配属の、たった1つの決め方

update:
2015 03/2
カテゴリ:
配属

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4月に新入社員を迎え入れる企業では、そろそろ受け入れ準備を行うという企業も多いでしょう。入社式、研修、配属先決定、現場OJTなど準備すべき事柄は諸々あります。

中でも、新入社員をどの部署に、どのような上司のもとに配属するのかは、頭を悩ませるテーマの一つといえます。

 

今回は、新人配属を決める上で特に難しい「適性」と「希望」の扱い方のコツをお伝えします。

 


 

■新人の配属検討で、最も重視される要素とは?

リクルートキャリアが独自に行なった新人の配属に関する実態調査(2012)の中で、「新人の配属を決定するにあたり、どのような情報を、どの程度重視するか」を聞いたところ、

・1位:適性・・・・・36%

・2位:本人希望・・・25%

・3位:専門性・・・・22%

という結果になりました<グラフ1>。

 

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まだ職務経験のない新人の配属においては、どのような仕事・職場に適しているのか、その適性を活かし、どのように育てていくとよいのかという可能性を踏まえた配属を考えていくことが重要。適性が最重要という結果は、至極当たり前といえます。

 

一方、配属時に本人の希望を聞いているケースも多く、「適性」と「希望」が配属時の二大重視項目となっています。

 

 

■「適性」と「希望」はどっちが優先?

「本人の希望をどの程度重視すればよいのか?」「適性と希望のどっちを重視したらよいのか?」という質問を受けることがあります。配属される本人にとっては、採用面接において志望動機を問われ、何がやりたいのかを散々考えた末に、当該企業に入社を決めているわけですから、自分の希望が通るのかどうかは非常に大きな関心事です。

 

しかし、本人が強い希望を抱いていたとしても、明らかに向いていないという状況では、「希望」よりも、実は「適性」を優先させた配属の方がうまくいくケースが多いのです。以前私がお手伝いした企業でも、希望優先で配属を決めたところうまくいかず、翌年から適性優先の配属決定に切り替えたということがありました。

 

 

■「適性」を優先した場合に、強くお勧めしたい人事の対応

希望を聞いたにも関わらず「適性」を重視した場合、本人には「希望を無視された・裏切られた」という感情が発生する可能性があります。その場合は、必ず、配属決定の背景を丁寧に説明してください。

なぜそうしたのかを説明しないままだと、配属後も「希望が叶わなかった・・」という不満を引きずり、前に進めなくなるリスクもあります。

 

説明するときのポイントは、「気持ちは理解するものの、寄り添いすぎない」こと。

 

「Aさんの、***なところを評価しての決定なんだ。X部では、▲▲な力も身につくよ。Aさんが将来やりたいといってる■■な仕事をやるうえでも重要なんだ。ぜひ、前向きに受け止めてがんばろう」

 

など、希望に強いこだわりがあるようであれば、そのこだわりの背景は改めて確認し、配属先からの期待や本人の指向・強みが活かせる点などを伝えます。

 

 

■「希望」を無視した配属をするリスク

ここまでの話を読んで「配属は会社の命令なのだから、素直に聞き入れて、与えられた場で頑張れ。いちいち細やかなフォローはしていられない」とお思いの方もいるでしょう。

 

ただ、新人にとって配属とは入社後の一大イベント。また、中学・高校時代からキャリア教育を受け、「自分のキャリア、やりたいことを明確に描きなさい」と言われ、就活においても「あなたは当社で何ができますか?何をやりたいですか?」と問われ続けています。一定期間自分のキャリアのことを思い描いてきているがゆえに、それが叶わなかった場合に、受け入れる耐性ができていない状況も多いのです。

 

不満を抱えたままのスタートは、後々に早期離職のきっかけにもなりかねません。先日ある企業の新人にインタビューしたのですが、「コールセンター希望ではないのに、コールセンターに配属された。周りはベテランばかりで知識も豊富で、あのレベルまで自分ができるようになるとは思えない…」と、配属希望とのギャップが原因でつらい状況になっていました。本音としては「希望していた部署ならうまくいっていたかもしれないのに」という思いがあるのでしょう。

 

企業として決定した配属について、本人に対してしっかりと説明責任を果たすことが、その後本人が働く納得感にもつながります。そして、最初の配属を本人が前向きにとらえられるまで、責任を持って周囲がフォローすることが、スムーズな立ち上がりにつながるのです。

 

 

■リスクがあるなら「希望」は聞かない方がいい?

希望を聞くのはパワーもかかるし、希望が叶えられずモチベーションを下げるリスクを抱えるくらいなら、最初から希望は聞かないというスタンスの企業もあるでしょう。

ただ、私自身は、一定のパワーやリスクがあることを勘案しても、仕事に対する本人の考え方、重視していることといった意思を確認し、企業側の意向とすり合わせる機会は設けた方がよいと考えています。

 

私どもリクルートキャリアの人材マネジメントの考え方の1つに、Will=やりたいこと、Can=できること、Must=やるべきこと(役割)の3つの重なりを大きくするところに、本人のやりがいや成長があり、目標達成に向けたパワーも最大化するというものがあります。日々実践する中で、これはとても有効な考え方だと思っています。配属においても同様にこの考え方を活かすことができます。本人の希望(Will)と適性(Can)、会社の意向(Must)の3つが合致する配属決定がなされることが、新人にとっての成長を早める機会になり、力を最大化できる配属の実現につながると考えます。

 

ぜひ、本人のやりたいことに耳を傾けた上で、納得できる配属を実現してください。

 

 

■まとめ

今回お伝えした、不満を生まない新人配属のポイントは、下記1点です。

  • 適性・希望など複数の要素で決まるが、本人の希望と異なる配属先に決めた場合は、必ず説明責任を果たしましょう。